里山の時間
いつもと変わらない風景。いつもと変わらない時間。
里山の魅力とは
キャンプにとって、
本当に必要なものとは。
豊かな自然でしょうか。
便利さや快適さでしょうか。
リゾートという言葉からは、
自然と利便性が共存する、
華やかで洗練された場所を
思い浮かべるかも知れません。
一方、里山はというと、
少し不便で素朴、人の少ない
静かな場所かも知れません。
では、「里山の魅力」って何でしょうか。
山があって、水があって、
昔ながらの原風景が残っている。
どれも、ここで暮らす私たちには
当たり前の日常です。
都会で暮らす人にとって
それは魅力的なのでしょうか。
都会では忘れられてしまった何かが、
この里山にはまだ残っている気がします。
それは、もしかしたら
どこかに置き忘れてきた、
大切な何かかも知れません。
里山を巡る
五つの循環
里山にあるもの。
山の木々、薪の火、田畑の大地、
火山の痕跡が残る茅ヶ岳、
その地層から湧き出る伏流水。
決して当たり前に
存在しているものではありません。
それぞれがつながり、
長い時間をかけて巡ることで、
里山の風景が生まれています。
古くから東洋では、この自然の循環を
「五行」という考え方で表してきました。
木・火・土・金・水。
五つの要素は互いに支え合いながら、
ひとつの命の循環をつくっています。

木
木から火へ
水で育んだ木はやがて大きく成長し、材木や燃料などとして伐採される

火
火から土(灰)へ
木は形を変えて薪や炭になり、最後は燃やされて灰になる。

土
土から金(鉱石)へ
灰となった木々は、やがて土へと還り、田畑や山の新たな命を下支えする。

金
金から水へ
茅ヶ岳に降った雨はゆっくりと山に浸み込み、やがて湧き水となる。

水
水はふたたび木へ
山から湧き出た水は、人々の営みを支え山の木々を潤す。
目には映らないもの
ビッグホーンは開設から30数年が経ちました。
20年通われているお客様も少なくありません。
創業年から毎年欠かさず来られている、
あるご夫婦のお客様。
春と秋の人が少ない時期に、毎回1週間ほど滞在されます。
もしキャンプ場で1週間滞在できるなら?
近隣の観光地に出かけたり、地元のグルメを味わったり。
その人、その人で楽しみ方も違うはずです。
そのお客様は滞在中、1度も外出をされません。
ペットと散歩したり、読書をされたり、
ただのんびり過ごしたり。
非日常の中で、日常のように過ごされています。
それだけ長い時間を、
この場所で過ごす理由は何なのでしょう。
特別なものがあるわけでもない。
特別なことをしているわけでもない。
それはきっと目に映るものではなく、
その裏側に隠れている、
ここで暮らす私たちでは気付けないもの。
だから、
この場所で過ごした人にだけ、
その見えない何かが映っているのかも知れません。

集落へ続く坂道



