涌治庵
かつてこの地域には湯治場があったそうです。
湯で療養や体の回復を図った湯治にあやかり、
湧き水をもって心身を癒しリセットできる場所。
そんな気持ちが込められた水の庵です。
Natural Water
日本百名山のひとつ「茅ヶ岳」。
かつて火山だった地層から湧き出る水は
硬度23.5mg/lの超軟水でありながら
温泉の成分も含む希有な水でもあります。
8月の真夏でも水温は15℃前後と冷たく、
1年を通して水温・水量が安定しているのは
地層深くから湧き出ている証なのかも知れません。
遠い昔、集落の先人たちが、
この水を遥か遠くから引き込みました。
100年近く経った今もなお、
この水はこうして毎日枯れる事なく、
この場所へと辿り着いています。

涌治庵をつかさどるもの

水がめを手水舎へ
まだ水道などという設備がなかった時代、集落での生活で使う水は、キャンプ場脇の清水を汲んでこの水がめに貯めて使っていたそうです。この手水舎にはそんな当時の人々の営みが息づいています。

水源の安山岩を祠へ
この湧き水は3km近く離れた場所にある水源から辿り着きます。20万年前の茅ヶ岳の噴火の痕跡として残る「安山岩」を山の神様に一礼して拝借し、涌治庵の祠として祀りました。

古民家の梁を水柱へ
集落にある築100年以上の古民家。その離れを取り壊した際に取っておいた梁。今ではあまり使われなくなった「栗」の木は耐久性があり、当時の古民家では珍しくなかった様です。
アーカイブ
一粒の種
時代の流れとともに
人々の生活も様変わりし
里山で暮らす人も少なくなりました。
かつての集落の暮らしを支えてきた湧き水も、
いつしか誰にも使われず、
毎日ただ流れ続け、廃れようとしていました。
この水は、
本当に価値を失ってしまったのでしょうか。
でも、そうではない。
必要としている人に届いていないだけ、
ただ忘れられているだけではないのか。
でも、
そこにあるだけでは、
誰にも届きません。
涌治庵は、
その「価値の循環」のために
蒔いた一粒の種です。
この場所を作り、種を蒔き、
知ってもらうまでが私たちの役割。
この場所を訪れ、水を使って頂く事で
皆さんの心にも一粒の種が芽吹き、
この涌治庵と共に、
少しずつ育っていったらうれしく思います。


